マクドナルド、賃金未払い

マクドナルドが賃金不払分の遡及を行うというニュース(朝日毎日フジサンケイビジネスアイ)。労基法がらみではMSN-Mainichiが一番適切な記述をしている。

日本マクドナルドホールディングス(HD)は1日、アルバイトの勤務時間と社員の時間外勤務について、これまで30分未満の部分を切り捨てて計算し、その分の賃金を支払っていなかったと発表した。厚生労働省は月間の総労働時間全体から30分未満の部分の切り捨ては認めているが、同社は毎日の労働時間から30分未満の分を切り捨てていた。同社はアルバイトや社員約10万人に、過去2年間分の未払い分を返還する。

タイムカード打刻は1分刻み(秒も残っているだろうが...)で行われるから、1日の労働時間や時間外労働も1分単位で把握される。これを1ヶ月分累積していって最後に端数を処理するのはいいのだが、日々30分単位とかで切り捨ててはいけない。これは確か労働基準法コンメンタールにも明記してあるし、労基署指摘とされても仕方のないところ。しかし似たような運用をしている企業はいっぱいある。今ごろ青くなっている経営者・給与担当者もたくさんいると思う。
30分単位の時間を本人に都度了承させたり、本人が毎日の時間数を申告するケースはセーフだろう。(これはこれで勤務の開始終了時刻を客観的データで残すことが指導されているわけだが。)いずれにしてもサービス残業や過労死がこれだけ問題になっている昨今、人を使う立場の人はこのへんの問題にナイーブになっておく必要がある。

会見した日本マクドナルドの好本一郎上席執行役員は、こうした算出方法を「相当年数やっていた」と話しており、慣例となっていたとみられる。

各店舗の運用に問題があったというわけではなくて、本部からの指導がそもそも間違っていたような気配。内部にきちんとした労務屋が育ってなかったということなのかも知れない。