私の「ダイタイ音感」
- オーボエ奏者・茂木大輔
- 「ダイタイ音感というのでしょうか、僕たちは楽器を演奏するときは音がわかるのです。オーボエはいつもチューニングのときにA音を出してますので、チューニングメーターを見なくても、楽器を持つとだいたいの音はわかります。絶対音に対しての高低判断ができる。また、管楽器は穴を押さえますから、空気の振動が指に伝わることで判断できるようです。弦楽器の人は、指のむずかりでわかるといいます。」
- 能管奏者・一噌幸弘
- 「子どもの頃から音色に親しんでいた能管なら、音を聴けばその指使いがわかる」
- 作曲家・三枝成彰
- 「四歳から始めたピアノならわかる」
- 声楽家・尾籠飄
- 「マスターした歌なら、楽器がなくとも常に自分のキーで歌える」
- 笛奏者・芝祐靖
- 「雅楽の曲ならば笛がなくとも絶対音で歌え、笛を持てば正確な音高で吹ける」
私の「ダイタイ音感」も、その昔やっていた吹奏楽に起因している。
ブラスバンドは、オーケストラでのバイオリンにあたるクラリネットや金管の主役トランペットがB♭管*1なので、チューニングもAでなくてふつうB♭で行う。高校3年間をトランペットを持って過ごした私にはラッパの「ド」音、つまりB♭の音が耳に染み付いている。
また中・高それぞれ3年の時に練習指揮を務めたおかげで、今でも、バンドを前にタクトを持って指揮台に立つところをイメージして耳の奥あたりにチューニングのB♭音を「呼び出す」ことができたりする。音叉やピッチパイプを使うのがめんどくさいとき、これらの方法でB♭を採ったあと変ロ長調でドレミをハミングして目的音までたどり着いています。合唱を始めた大学1年の頃にこれをやってたら純正合唱な人々に妙な顔されたものだが。