らぁーめぇーん





「中華な大皿の夢」のお話の続きです。





ある晩、場所はヨメの実家、深夜のことです。



少し広めの部屋、慣れない寝床に加えて

いつも服用している睡眠導入剤をウチに忘れてきていたため

寝入ることができず、暗い天井を眺めていました。





それでもようやくうとうととしかけた、その刹那、





♪ってんてんてんてんてけてんてけ、ってってってってってってっ。



やってきたのですよ。例のメロディーが。



そして眼前に迫る謎の中華料理店「月楼亭」。





読める(笑)。読めるぞ、この後の展開わ。





幸いにして今晩の眠りは非常に浅く、抵抗の余地は十分に残されている。

僕は頭を振り、覚醒して夢を消し去ってしまおうと試みました。



そして目を開くと、いつもより高い天井と掛け布団のシーツが。

やれやれ打ち勝ったか、と思ったのですが。





不意に視界がチラつき、不気味な声が頭の中に響きます。





『らぁーめぇーん』





・・・今日のメニューはやけに直球だなおい。



とにかく、またしても迫る味覚の暴力。危うしオレ。





すると意外な助け舟が。

となりに寝ているヨメが大きく寝返りを打ちます。

かと思ったら、ねぼけているのか体を半分起こしかかります。





すごく驚いて完全に目が覚め、ここでようやく視界のチラつきが止まった。





あー怖かった。