きっかけは郵政民営化、となるか

郵政民営化の採決で自民党が割れた。これが憲法改正選挙制度改革、国防など国のあり方を左右するような問題ならともかく、経済に与える影響大とはいえ政府・公企業の一角でしかない郵政公社の処遇ごときで起きたものだから、割る方へも割られる方へも「どこまで本気なの?」と尋ねたくなる。
ウイングを大きく広げ、どんな問題も飲み込んでなんとなく処理し安定的に政権を運営可能であることが自民党の力の源泉だった。冷戦における超大国の脅威や高度経済成長にこの国が対応していくためにその力は不可欠だったが、決断と集中が重要とされる今日にあって、何かことが起こるたびに党内の異論を調整して無難な結論しか出せないような政府・政権与党は発展の阻害要因でしかない。だから自民党は(民主党もだが)もう一度大きく割れ、理想とする国の形をもとに結集し直すべきだと常々思っている。今回やたらと小粒な争点で分裂が現実のものとなったわけだが、これが新会派結成等の「次の展開」を伴えばまた違った意味合いも出てくるだろう、と密かに期待している。