労働生産性トップは山口県?

山口県内製造業の労働生産性*1はここ15年ほど常に全国平均を上回っており、2002年にとうとう都道府県別で全国トップに踊り出たとのこと。

県内製造業の労働生産性が高い背景は、 (1)主力の化学工業などの素材産業が少ない労働力で付加価値を創出していること、 (2)こうした付加価値創出の源泉が素材産業の高い資本装備率にあること に加えて、 (3)県内製造業の高い資本装備率は、労働分配率を低めに止める一方で、多額の設備投資を実施することで実現していること、 が挙げられる。

要するに装置産業、それも化学・土石・非鉄金属といった素材メーカが多く人間の手をあまり介さず生産が可能と言うことで、山口県人は際立って勤勉、とか、日本経済復活のモデル山口にあり、などと言う類のものでは全然ない。まぁ、ここ数年のリストラに関してはご多分に漏れず県内企業もぐりぐりやってきたのであって、人件費抑制のミクロの取り組みの積み重ねがマクロ*2のレベルで最初に現れたのがプライマリな製造業を主力とする山口だったということか。労働生産性の著しい高さの一方で労働分配率は極めて低位で、消費活動が盛り上がらないために非製造業にお金が全然まわらないというのも皮肉な構図。

*1:従業員一人が生み出す付加価値のこと。

*2:マクロっつっても総勢150万人やそこらの弱小県での話だけども。