イメージ醸成には手が抜けない

鈴与という会社がある。清水エスパルスのスポンサー企業なんで名前くらいは知っていたのだが。Webを見ると清水港を拠点とする物流企業さんだそうで。
この会社、ニュースステーションの枠に企業イメージCM*1を打っているが、その内容のズレっぷりに目にするたびに脱力させられる。大海原を泳ぐクジラの映像にへにゃへにゃの声優ボイスで「い〜つか〜きっとぉーみーれぇーるーよね〜」という歌が重なるという内容。
まず映像と歌とのミスマッチ。クジラは企業イメージを表しているのだろうから外せないとして、ボーカルを外してBGM+ナレーションでも十分事足りると思えるのだが。歌手の人選も意図が見えない(親しみやすさを狙っている?)
何よりもいただけないのが「見れるよね」という歌詞。私は「らぬき言葉→即排除」とするほど短絡的かつ保守的な人間ではないけれども「日本語の乱れ」を目の敵にする層(主に高齢者)は依然として多く、そういう人達にとってこの歌詞は耳について仕方がないことだろう。広範な知名度獲得を図ろうとする企業イメージCMとしては不合格と言わざるを得ない。
そこまで気の回らなかった鈴与の広報担当者、地方企業と侮って本気を出さなかった広告代理店はもちろん、完成したCMにゴーサインを出したであろう鈴与幹部の判断も含めすべてに「中途半端感」が漂うCM。いい枠に流すなら完璧に近いクオリティに到達しないと、見ている人が多い分マイナスの効果も招きやすいと肝に銘じてかかるべきだ。
思えば、一流企業と言われる会社のニュースリリースでも日本語が練れていなかったりミスタイプでひらがなが重なっているといったお粗末なものに出くわすことがある。広報とか文書といった部署にその分野のスペシャリストを確保できるかどうか,という個別の事情もあろうが、堅実に企業イメージを育ててゆきたいと考えるならこの分野で手を抜いてはいけない。

*1:関東ローカルではないと思うが...