東京メトロ丸ノ内線雑感

人類社会がもの凄く広大である一方、人間個々の目が行き届く範囲はごく限られているから、いかに見聞を広め鍛練を重ね思索を深めようがいち個人、或いはそれらの集団がこの世界を切り取れる大きさもまた、限定的である。
ある世界においてその至高の頂が虹色にきらめき渡ろうとも、その他の世界からは霞んで見通せなかったり、そもそも関心すら集められないことの方が多い。それはもうそーいうもんだと考えて、互いの世界をリスペクトさえしていればよかろう、と、つくづく思う。あくまで謙虚、に。各々の頂には、それぞれの美しさがあるのだから。
ところで最近、我が家のベランダから、富士山が見通せることに気付いた。あれは異世界の頂か、それともこの国の空気が澄んだのか。
ただずっと下向いてただけかも分からんけどな。