選挙に行こう、行こうよ

都議選の期日前投票に行ってきた。転居したばかりで近所の投票所では投票できないわ、週末は合唱団の練習があるわで早目に済ませたのである。ちょっと前まで「不在者投票」と言って投票日当日に旅行等に行くことが利用の条件であったのが今は緩和され、しかも夜8時まで投票可能である等ずいぶんお手軽なものとなっている。

思えば、選挙権を得る年になってからどんなローカル選であっても必ず投票に行っている。特定の候補に投票しようとする意思がある時はもちろんだが、そうした人が特にいない場合でも自分なりに投票行動への裏づけを作って一票を投じるようにしているのは、(自分を含めた)無党派層と呼ばれる人達への歯がゆさと組織票への嫌悪感からだ。
多くの人々が投票所に足を運ばず投票率が下がると、組織票を持つ政治家とその母体となる団体のプレゼンスとが相対的に上がってしまう。それでこの国が良くなる、あるいは少なくとも悪くならないのであれば自分も黙殺するのかも知れないが、どうもそうではないような気がしてならないのである。

例えば今回の都議選で、私はつごう2名(それぞれ別の党を支持している)から「○○党をよろしく」と依頼を受けたのだが、この選挙は争点が分かりづらく、正直なところ関心も薄かったので「どんな人が立候補しているかも知らないんですよね...」と答えた。すると2人は異口同音に「いやいや、とにかく○○党の候補者に入れてもらえればそれでいいから」と言うのである。他人にそうした投票行動を勧める人々(組織)が、自分の時に限って高い政治的コンシャスを保って投票しているとは私には思えない。しかしそれら組織に支えられた政党が低投票率に乗じて議席を増やし、政治や社会に対する影響力を強めているという現実がある。

だから私は、棄権上等とか投票しなくても結果は同じ、選挙権の意味は別のところにあるとかいう議論ももっともだと思いつつ、投票所に足を運ばずにはいられないのである。