医師のコア・コンピタンス

人事をやっていたころ*1、学生さんから就職活動についてのアドバイスを求められると「企業の業種・業態にとらわれず、その職業の本質を見抜くことだ」なんて偉そうに答えていた。特にメーカー志望者だとその会社がどんな製品を作っているか、つまりアウトプットにしか目が行かないケースが非常に多く、自分がその製品を生み出すためのプロセス、要するにインプットに携わっていくのだという意識を持ってもらわないといざあてがった職場にミスマッチを感じる結果に繋がりかねないから。
昨日今日と妻の出産のことで病院にいて、お医者さんという職業の最も主要な業務プロセスは「患者やその家族と話す」ことなんじゃないか、と感じた。金銭で買えない「人命」を扱うがゆえに駆け引きの使えない真っ向勝負だし。
ただ、分からないことを正直に「分からない」と言われるとこちらとしては心穏やかでいられないのだけれども。かといって独断的な「ご見解」を述べられても困るが。全くもってセンシティブで自分なんかには絶対できない商売だとつくづく思った。

*1:何ヶ月か前のことなのに、かなり昔のことのように感じるなぁ...