「バカの壁」の向こう側にロマンは存在するか?

ETVスペシャル「人に壁あり」〜解剖学者 養老孟司
http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2003/0906.html
NHK教育 22:00-23:30
養老孟司さん*1の文章は文庫でいくつか読んだことがあって、話題の幅が広くとにかく頭の中が良く耕されてる人だなと思っていたんですけれども。今日この番組を見て単に引き出しが多さの問題ではなく「壁を作らない生き方」が思考の柔軟性と豊かな人間性とを醸成することを思い知らされました。金言乱れ撃ちの90分、なのにものすごく自然体で。

脳はカラダを動かすことでしかアウトプットできないが、動かした結果は世界を変化させることができ、その変化が脳にインプットされることで別の思考を生み出すことができる。そうしたサイクルを繰り返して一定程度パターン化しているとみなしたものが脳に蓄積されてゆくが、カラダを動かさずに脳の内部だけで思考を完結させる人は固いコアの部分だけが残り、一種の「原理主義」に陥る。

思考が止まってしまう、あるいは自ら止めてしまう限界を「バカの壁」と呼ぶらしいが、自分の行動を振り返ってみると「自分の世界」を守るために何かにこだわったり「これ以上は進めない」と立ち止まる場面が多くあったような。自分なりにアイデンティティを守ろうという信念を持っていろんな方面で各々の一線を超えないでいたのだけれども、それが成長を阻害したり思考を硬直化させたりというマイナスの一面があったことは否めない。かといって今さら流されてかつて自分の好まずにきたことにほいほい手を出そうとも思えないけども。うーん。とりあえず明日あたり「バカの壁」買って読も。

*1:最新著「バカの壁」が大ヒット中。「涼しい脳味噌」「唯脳論」「異見あり」などもオススメ。